世界初のSCF発泡エラストマー射出成形機にNexCell®が採用されており、従来の製法に代わる地球にやさしい製品となっています。
SCF発泡エラストマー射出成形原理
超臨界流体(SCF)は、特定の気体の気体状態と液体状態が特定の温度と圧力で共存するときに形成されます。SCFは液体状態を保ちながら気体のように圧縮することができるため、発泡エラストマーの発泡プロセスで発泡添加剤として使用できます。NexCell®SCF発泡エラストマー製造プロセスでは、高分子プラスチック材料以外に化学薬品は添加されません。これは従来の化学発泡成形技術とは異なるため、SCF発泡は「物理発泡」とも呼ばれます。
SCF発泡射出成形では、N2やCO2など、1つ以上の不活性ガスを用いて、特定の温度と圧力でSCFを生み出します。特別に設計されたデバイスは、比粘度を有する溶融高分子プラスチック材料にSCFを導入します。このSCFと高分子プラスチック材料を均一に混合したものを、射出デバイスのより成形品に射出します。成形品に射出する際の混合材料の急激な温度と圧力の変化により、SCFは直ちに気体状態に変化し、圧縮状態から瞬時に解放されます。これにより、ガスが急速に膨張し、混合物を金型内に押し込み、SCF発泡射出成形プロセスが完了します。
NexCell® プロセスの特徴
キングスチールと欧州Co-Innovation Partner(ECIP)が開発したNexCell®SCF発泡エラストマー射出成形機は、世界初の「量産型」SCF発泡エラストマー射出成形機です。キングスチールが長年培ってきたMICS TMコアインテグレーションテクノロジー(Multiple Injector and Mold-Clamp System:MICS TM)を開発テーマとして、SCF発泡エラストマー射出成形を単一のマルチノズル、マルチワークステーション、マルチモールドマシンにしました。この新しいマシンは「NexCell®」と名付けられました。
このプロセスで生み出される次世代発泡エラストマー(Next Cell)は、お客様の製品価値の向上と業界競争力の向上が期待されます。NexCell®製品の100%リサイクル性は、素材ブランドやお客様が循環経済を推進し、地球のエコロジーと環境を保護するのに役立ちます。